2013/06/25

"Original Updated by cybrarian77"

ここ最近、小学校での英語授業が取り入れられ、ついに高校でも英語の授業に新しい動きが見られました。

英語の授業は原則英語で行われるというスタイルに変わったみたいですが、果たして高校生の英語力に変化はあるのでしょうか。

基礎がなければただの苦痛でしかない

まぁ、英語を話す練習をしてこなかった今までの英語の授業と比べると、質問なども英語でしないといけないと思うので、話す量はとても増えたと思います。

しかし、高校生の英語力ってどうでしょうか?いわゆる優等生であれば、中学校で基礎を築いてきたかもしれませんが、大半は文法の基礎すら怪しい状態ではないでしょうか。レベルの高い高校では効果が期待できるかもしれません。しかし世の中はレベルの高い高校ばかりではありませんよね。

基礎もないのにいきなり話せと言われ、文法もさほど知らないのに話すことなんて絶対にできません。単語と単語を組み合わせて話すことはできるかもしれないですが、英語力の強化にはあまり繋がっていないと思います。

先生はどうする?!

今までは英語の話せない英語の先生でも、日本語で英語を教えることができていました。しかし全て英語で授業を展開するということは、先生も英語のみしか話せません。私は英語の話せない英語の先生は教える資格がないと思っている部分がありますから、これでようやく自分の恥ずかしさに気づけるかもしれませんね。

・・・ということを言いたいのではなく、生徒にどう教えるかというのが一つ問題として挙げられています。英語を英語で教えるのは、生徒の理解力にも影響を及ぼします。だって、日本語で説明してくれたほうが理解しやすいに決まってるからです。

『英単語は日本語で覚えろ?!中級者が陥る穴』でも述べましたが、英語がまだあまりわからない人に英語で教えても、その説明してる英語すら理解できないかもしれません。じゃあ同じ説明を日本語でしたら?一発で分かりますよね。そう、高校生もまだ基礎ができていないんです。

高校からではなく、中学校から授業のスタイルを変えるべし!

私は、基礎ができるまで英語のみの授業はあまり意味がないと思っています。基礎というのはある程度の語彙力文法力です。そしてその基礎を学ぶことができるのは、中学校の英語です。

中学校の英語の授業は、単語と文法を中心に授業を展開すべきです。私の記憶が正しければ、中学校の時の英語の授業は、なんとなく全体的に英語をやっていたように思います。どういうことかというと、とりあえず教科書を追って、その都度リスニングをちょこっとやって、ちょこっとだけ文法の解説をして、単語の意味を生徒に聞いたり、いろんなことをちょこっとずつ一回の授業でやっていました。(ライティングやスピーキングはほぼ無し)

これは確かに英語の授業とは言えますが、英語はスポーツと同じように、基礎をしっかり学ばせることが一番大事だと思います。基礎は例えるなら家の骨組みです。その他の肉付きばかり作っても、結局は崩れてしまいます。まずは骨組みをしっかりと組み立てることから始めないと、応用が効きません。

結論として、高校で英語の授業を全て英語でやるのは悪くないですが、どうせやるなら中学校の英語から変えるべきだと思います。そうすることで、今回のこの高校での英語の授業もかなり生きてくるのではないでしょうか。

唯一のメリットは、話す怖さを払拭できること!

唯一のメリットは、話す練習ができるので、恥ずかしさなどの怖さを少しでもなくせることです。これは完全に経験ですから、経験値が高ければ高いほど、話すときに自信を持つことができるようになります。

また、これを機にもっともっと英語を話せるようになりたいと生徒が自らやる気を起こしてくれる可能性も十分に秘めています。

メリットは他にもあるかもしれませんが、私が思いつくのはこのくらいです。

「リスニング力も上がりませんか?」

英語を話せない英語の先生のカタコト英語を聴いてもほとんど意味がありませんね。だったらいっそのことネイティブが話しているテープを流してくれた方がずっとずっと良い練習になります。(テープって言ったら古いかな?w)話している人もできるだけわかりやすい発音と、できるだけわかりやすいスピードで話してくれていますから。そしてそれは今までやってきたことと変わりません。なので、高校の授業を英語で展開することにしたことと、リスニング力のアップは直接的にはつながっていないと思います。

もう一度言いますが、英語のみの授業にしたことは、生徒の英語を話す経験を増やすという点では良い動きかもしれませんが、基礎がなければ効果的とはとても言えません。逆に、英語を話せない自分が嫌になり、英語嫌いを生む可能性だってあるんです。

であれば、まずは中学校の英語の授業から完全にリニューアルするべきではないでしょうか?

それでは今日はこの辺で。


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2 件のコメント :

  1. いつも楽しくあなたの記事を拝読しております。今回の記事でも「全くその通りだ」と私の思っていることをおっしゃっており、大変共感を覚えた次第です。しかしながら、少しばかり疑問がございます。

    >中学校の英語の授業は、単語と文法を中心に授業を展開すべきです。

    これはどういうことでしょうか。もう少し具体的にお聞きしてもよろしいでしょうか?例えば、Focus on Formの考え方を基にしてこういう風に教えるべきだとか、プロジェクト型授業を目指してこういう風に取り組むべきとか、具体的にあなたのお考えをお聞きしたいのですが。

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  2. 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。

    コメントどうもありがとうございます。また、いつもこんな読みづらいブログを読んでいただき本当にありがとうございます。少し長くなりますがどうかお付き合いください。

    質問についてですが、私は英語の教師を目指しているわけではありませんのでFocus on Formや授業形態の種類など詳しいことはわかりません。しかし、私が経験してきた英語の授業を基に話せば、高校の方がしっかりと文法と単語を教えていたなとわずかながらに思っています。従来の、「関係代名詞」や「完了形」のようにセクション分けをして文法を教えていた高校の授業内容を、中学に持ってくる方が高校生になった時に英語のみの授業にもついていけるようになると思います。(説明が足りませんでしたね・・・)

    具体的にどのような授業が良いと思うかと申しますと、まず根本的に教師の英語力と教え方を改善することはいつもブログを読んでくださっているとのことなので言うまでもありませんが、アウトプットを取り入れながら授業を展開することが大切だと思います。

    例えば「過去形」のセクションを教えているとき、先生がわかりやすく理解するまで教え込んだら、次にペアで会話をさせます。A君を質問側、B君を回答側に分けて、先生はあるテーマを一つだけ生徒に用意します。例えばカードに「昨日したことを聞きなさい」と(日本語で)書き、質問側であるA君に渡します。すると会話が生まれますよね。このように考えながら頭の中で過去形を組み立て、発信できるようになったら「過去形」はその人のものになります。これをセクションごとにとことん繰り返していくなど、要するにインプットとアウトプットのバランスが大事ではないかと思っています。

    「生徒同士で組ませることにいつも問題が生じる」という場合は質問を先生が、回答を生徒がしてもいいですよね。(言い忘れていましたが、この活動では質問側と回答側を交代させます。)

    間違えた時にその生徒にかけてあげる言葉など、そこら辺は先生の力量です。いかにして生徒に恥をかかせないか、もっと言えば間違えて恥をかくことは普通だと教えることができるか、細かいところは各々の学校によって違いますから、私からは一概には何も言えません。

    とても長くなってしまって申し訳ありませんが、これが今の私からの一応の答えです。コメントをしていただき、ありがとうございました!

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